印鑑というものに何か合理的な意味があるのか疑問だが、役所ではいまだに印鑑がないと何の手続きもできない。
先日、車検が切れた軽自動車の仮ナンバーを発行してもらおうと思って、わざわざ時間を作って役所を訪ねていったのだが、印鑑が必要と言われてすごすごと帰ってきた。あんな何の証明にもならないようなもののために時間を無駄にしたのが実に腹立たしいが、自分の力ではどうにもならないことには従うしかない。しかし、このまま引き下がるのも癪である。次に行く時には何らかの反撃をしたい。
印鑑を忘れないためにはいつも携帯しておけば良いわけだが、普段使わないものなので携帯するにはできるだけ小さくてかさばらないもののほうが良い。
ということで印鑑を小さく加工することにした。必要部分を3mmくらいに薄くスライスして、それをiPhoneに貼り付けて……、などとも考えたのだが、実用性を考慮して、柄の部分を短く切って穴を開けてキーホルダーにした。もっと印鑑の無意味さを強調する挑戦的なデザインにしたい気もするが、役所のおじさんと戦ってもしかたがないのでやめた。本当の敵はもっと強大で実体のないものだ。
車の鍵に取り付けたので、これでこれからはまず印鑑を忘れることはない。そして鍵を落としても持ち主が分かるので一石二鳥である。