Katayama Takatoshi Weblog
美しい道具
近所に住む大工さんの家に区費を納めに行く。作業場に刻み終わった木材が積んであるので見ているといろいろと説明をしてくれた。枘(ほぞ)や継ぎの種類から隅木の納まり方などなど、全てが理にかなっていて感心しきりだ。

最近では皆住宅メーカーの家を買うから仕事が少なくてまともな大工がどんどん仕事を辞めていくらしい。残っているのは大工と呼べない第7か第6くらいのものだという。住宅メーカーの家は見た目は綺麗だけど20年しか持たないし、新建材を使うから火事になったら苦しくて逃げられない、この先あんな家ばっかりになってどうなるんだろうと心配になるそうだ。

いろいろと話を聞くうちにこんどは道具の話になった。大工道具は道具の作り方から大学で習ったので一通り知っているつもりでいたが、削る木材の種類によって鉋の刃の角度が違うとか、差し金の使い方の話になるともう全然太刀打ちできなかった。
特に差し金の読み方は大工か第8かを見分けるには差し金を使わせてみれば分かるというくらい奥が深いそうだ。

差し金一本で五角形も八角形も簡単に引けるし(そう言いながら実際に引いてくれた)、丸棒の円周も、正方形の対角線の長さも出せる。螺旋階段の寸法も屋根の勾配もこれ一本で割り出す。実に奥が深い。吊り鐘堂の柱に用いる四方転び(四方に角度が付いた柱)も差し金を使って作るそうだ。なかなか凄い道具だ。日本建築の伝統の知恵が凝縮されている。

私はこういう道具が大好きである。小数点以下2桁まで測れるようなノギスやマイクロメータも好きだし、機械式のカメラも好きだ。電気を使ったハイテクの道具はつまらないが、こういう金属に目盛りがついているだけで精密に測れるとか、機械的な動作だけで数百分の1秒でシャッターを動かすなんてのは、凄いと思うし、そのあり方が美しい。
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by katayama_t | 2007-04-28 13:12 | Life
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記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
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