日本で初めて白熱電球を作った会社「東芝ライテック」が
2010年をめどに一般白熱電球の製造を中止するらしい。電球型蛍光灯にすれば消費電力が1/5、ランプ寿命が6倍となり、CO2削減に大きく貢献できるという話。
それはそうかも知れないが、白熱球ファンとしてはちょっとさみしい。
電球を蛍光灯にすれば確かに省エネにはなるだろうが、電球と電球型蛍光灯(電球色)というのは色が似ているだけで全く別物だ。蛍光灯は水銀から発せられる紫外線を内側に塗布されている蛍光物質に反射させて可視光線を得ているのに対し、電球はフィラメントの発光という単純な原理。例えるなら雷と火の違いというところか。
雷の光は常に強いが、「火」はとろ火、弱火、強火と無段階に強弱がある。
雷はONかOFFのデジタル式だが、火はアナログ。
雷は嵐の時のような非日常だが、火は日常。
何が言いたいかというと、それぞれ見合った場所や時間で使い分ければいいのではないかということだ。
仕事中は蛍光灯、夜グラスを傾ける時には電球で陰影をつけるという具合に。電球なら調光器をつければ無段階に光量の調節も可能だ。飲み進むうちに少しずつ照明を落としていくのも良いものだ。誰も電球で蛍光灯のようにこうこうと照らそうとは思ってないんじゃないか?
それぞれのスペクトル分布を見ると電球はなだらかに分布しているのに対し、蛍光灯はその原理ゆえに可視光のスペクトルの鋭いピークが見られる。それにラジオにノイズが入ることからもわかるように電磁波も発生する。こんな光でリラックスできるとは私には思えないのだが…。