IPCCの予想に反して地球気温の上昇が頭打ちになり、当面寒冷化に向かうらしいが、日本経済新聞の紙面(ネット版にはない)以外ではどうやら報道されていないみたい。
オレンジ、赤、茶色の線がIPCCによる気温上昇の予測(3種類の排出シナリオ別)、黄色の線が温暖化ガスを2000年水準に抑制した場合の気温予測。青と緑が英気象庁が人工衛星を使って調べた世界の平均気温の推移。実は2008年の気温は21世紀に入って最も低かった。IPCCは気温が2000〜25年に10年あたり約0.2°のペースで上昇するとしているが、実際は最近10年で約0.2°下がった。
日本経済新聞の記事では、赤祖父俊一・アラスカ大学名誉教授が「IPCCが温暖化の主因とみているCO2の増加は今も続いているのに、気温の上昇は止まり、海水面も下降し始めている。IPCCは予測の誤りを認め、直ちに公表すべきではないか」としている。
各国は温暖化対策に予算を割いているし、クリーンエネルギーということで原発が推奨されているので、こういう「不都合な真実」は隠されていくのだろう。
原発を段階的に廃棄する政策を30年間とってきたスウェーデンもここにきて「温暖化対策防止とエネルギー供給の確保」を理由に政策を撤回する方針を表明した。
欧州では過去10年間原発の新規建設は無かったが、フィンランドは最近原発建設に踏み切ったし、英国、フランス、ポーランドなどが新規原発建設を計画中だ。
一方ドイツとスペインは脱原発の方向。
エネルギー問題というのは難しい問題だが、政治的に偏っていることは確かなように思える。「温暖化防止」を原発推進の免罪符にしてはならないと思う。原発というのは事故を起こしたら「終わり」なのだ。建設するには必要性と安全性の議論をつくさなければならない。