Katayama Takatoshi Weblog
カテゴリ:Art( 224 )
「やきもの」をもっと身近に
今日は朝から先日作った土鈴の野焼き。
雨続きで薪が湿っていて火のコントロールが難しかったが、皆の協力でなんとか火を絶やさずにゆっくりと温度をあげて、最後は竹と杉で一気に昇温。
途中お昼休憩を挟みながら午後2時頃に焼き上がった。

「やきもの」というと陶土と窯がなければできないと思い込んでいるが、まったくそんなことはなく、山肌の地層が露出したところでは粘土が採れるし、それを焚き火で焼けば800〜900度程度の素焼きのやきものができる。やきものは1250度で焼かなければいけないというのも思い込みで、そこで採れる粘土の耐火度に合わせて焼けば良く、そういう意味ではやきものにならない粘土は無いとも言える。粘りがあり、成形できる土であれば基本的にすべてやきものになる。とはいえ、陶土として売られている粘土は粘りがあり、成形しやすいのは確かなので、粘土を買って野焼きをするというのが簡単で良いかもしれない。買った粘土を使うのに抵抗があるならば、100%買った粘土ではなく、その土地の土や砂を混ぜてやると味が出て良い。
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一日火と向き合い、美味しいお昼もごちそうになってとても良い一日でした。
by katayama_t | 2015-11-28 22:41 | Art
長いものに巻かれる
また一つ長いものに巻かれてしまった。
秋葉原で中古のiPhone5Sと今流行の格安SIMとやらを購入して、softbankと縁を切り、とうとう人生初docomoに。まさか自分がdocomoの端末と回線を使うことになろうとは夢にも思っていなかったが、月々の通信料が家計(飲み代)に重くのしかかっているので苦渋の選択である。別にdocomoに恨みがあるわけではないが、私は何にしろ最大手というものが嫌いなのだ。docomoやパナソニック、トヨタ、巨人、自民党などが、傲慢な感じがしてどうも好きになれない。もちろん偏見だが、物事を決定するのはいつだって論理ではなく感情なのだからそれはしかたがない。端末購入からセットアップまで約1時間。便利な世の中になった。

その後、時間があったので21_21のゲーリー展へ。
フランク・ゲーリーには以前から注目していろいろ見ていたので、特に新しい発見は無かったが、それでも、あの切ったり貼ったりして考えながら作るラフモックの現物を目にすると臨場感があってとてもワクワクする。コンピュータを駆使した設計だが、形の発想は気の遠くなるような手作業の積み重ねで、それらすべてを実現するために膨大な数の人が関わっているということがよく分かる。『建築は一人ではできない』ということが説得力をもって迫ってくる展示だった。家作りとはわけが違う。
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by katayama_t | 2015-11-25 23:57 | Art
家作りワークショップ@高田造園
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土鈴作りワークショップで先日「千の葉学園」に行った時に、「高田造園」という造園屋さんが最近家作りワークショップに関わってくれていると聞いて、聞けば聞くほどにすごそうな方達なので、今度学園に来るときが分かったら連絡をくださいと言っておいたのだが、それが今日来るというのですべての予定をキャンセルして行ってきた。

昨日の天気予報では今日はほぼ確実に雨だったので、まあ、延期だろうと思っていたのだが、今日の朝6時まで判断を待つとのこと。正直「?」と思っていたが、夜中にあんなに降っていた雨が未明には小雨になり、朝6時には奇跡的とも言える天候回復で雨がやんだので他の予定をドタキャン(連絡がつかず結果的にはすっぽかし)して朝から参加した。

行って簡単に挨拶をした後、自己紹介の延長で高田さんの話が始まった。山のこと、土地のこと、樹木のこと、水脈のことなどを熱を持って話してくださり、その話がもうすべて素晴らしいの一言。今まで自分でなんとなく疑問に感じていたことに、知識と経験に裏打ちされた高田さんの言葉が響いて目から鱗が落ちまくり。感動しっぱなしで思わず涙ぐんでしまいそうだった。

もうすでに胸が一杯で、話を聞けただけでも来た甲斐があった! と思っていたくらいだが、まだ作業は始まってもいない。
というわけで、まずは皆で輪になって今日やる作業の確認。
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最初に広場のメンテナンスから始めた。
草が禿げて土が剥き出しになっているところに炭のチップを蒔いて、その上に木材のチップを蒔く。こうしておくだけで土が呼吸し再生して草に覆われていくのだという。
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高田さんはこういうことを教えながら、炭の手触りや木材チップの香り、土の色や感触などを感じるように子どもたちを促す。単なるマニュアル的な知識では無く、自分の感覚で心地よさを感じていくことがとても大切なのだと思う。当たり前だが、何が心地よいのかということは人から教わるものではなく自分の感覚でしか判断できない。

そして、次は炭は腐らないという話をしながら杭を焚き火で炭化させて、それを皆で堀った洞窟の脇に打ち込み、骨組みを組んで洞窟入り口の屋根がけ作業。杭以外の使用する材料はすべてこの山から採ってきたもの。
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竹や藁を葺いていると見知らぬ近所のおじいさんが立ち寄り、自分の家に茅(かや)が生えているので刈っていって良いとのこと。とりあえず少し刈らせてもらって次回使用できるように保管した。何か事を起こすとこういう繋がりが連鎖的に起きていくので面白い。

雨をしのぐにはまだまだたくさんの屋根材が必要だが、日も暮れてきたので今日はこの辺でおしまい。
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作業を終了し、片付けをしおわったら、待ってましたとばかりに雨がザーッと降り出した。何というタイミング、最後までかっこいい。
by katayama_t | 2015-11-18 22:20 | Art
土鈴作りワークショップ
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長南町の「千の葉学園(旧あしたの国シュタイナー学園)」の秋祭りに行ってきた。
昨年講師として招かれて、野焼きでやきものを作る授業をやったのが縁で、今年は秋祭りでの野焼きワークショップ。今日は一日目、粘土で形を作る日。

与えられたテーマは「来年の干支の土鈴を作る」というもの。今年は羊年なので来年の干支は猿……。「ちょっと待てよ、猿って難しくないか?」と思いつつ、教えながら試行錯誤したが、難しすぎるので断念。
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子どもたちには粘土の扱いと鈴の作り方のみ教えて、制作物は何でも良いことにした。

それにしてもここの子どもたちの創造力と集中力には驚かされる。
あれよあれよという間に思い思いの形が出来上がっていく。しかも上手! そして終わらない! 放っておけば一日中でもやっていそうな集中力だ。
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というわけで、講師の立場がないほど力作揃い。すでに干支とはかけ離れているけど……。
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焼くのが楽しみ。
by katayama_t | 2015-11-07 22:29 | Art
シンクロする人
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普段まったく交流が無いのに何かとシンクロしてしまう人というのはいる。
私の中でその筆頭がクラウドデザインの三浦さんだ。常に「お久しぶりです」と挨拶するほど疎遠だが、話をしだすと久しぶりに会ったとは思えないほど同じような視点で世の中を見ていることにいつも驚かされる。

先日個展会場で話をしていた時に、作品コンセプトの話になった。
私が「イメージを固定したくないので作品にタイトルはつけないけど、自分の中ではあるイメージを手がかりに作品を作っている」という話をして、それから恐る恐る相手が知っているかどうかを伺いながら「死の島という絵がありますよね?」と聞くと、三浦さんは「ええ!」と言いながら顔が明るく輝いた。明らかに何か思い当たっている顔だ。安心して話を続けた。「あの絵には糸杉の林が描かれていますね、それがこのイメージの元です。」と言って作品を指すと、三浦さんは言葉にならないといった風で大きくうなずいた。つづけて「島の人工物(建物)のイメージがこのあたりの作品で、棺を乗せた船が、地下の展示です。」と言うと、すべてが納得いったようで、そこから話ははずんだ。糸杉は墓場に植える木だし、地下の船は棺桶にも見える。焦点が合わず消え入りそうで不確かな蝋や糸などの素材。今回の展示はどこか死のイメージがある。

それから、ひとしきり死の島にまつわる話をした。当時ベルリンの家庭では一家に1枚あの複製画が飾られていたとか、ラファエル前派の絵画はどうも好きになれないとか、時代を超越したどこにも属さない絵の中に良いものがあるとか。他の人とはなかなかできない話ができてとても楽しい時間を過ごせた。

「死の島」の作者のベックリンは、同じ主題の絵を1880年から1886年の間に合計5枚描いており、ほぼ同じ構図だ。
実をいうと私の今回の作品も過去の作品に酷似しているので作るべきかどうか迷っていたが、調べてみるとベックリンは5枚の「死の島」を描いていたということを知って、ふっきれた部分がある。その時に作りたいのものを作れば良いのであって、それが過去の作品に似ているように見えようが、自分の中では常に新しいのだ。

それにしても、三浦さんはどうして、こんなに詳しく「死の島」を知っているのだろうと不思議に思って聞いてみると、実はほんの数日前にあるデザインの仕事で気になって調べたのだという。ほぼ同時期に、ほぼ誰も知らないような絵画に引き寄せられていたことになる。

作品を作っているとこういう奇跡がたまに起きる。
by katayama_t | 2015-08-07 21:53 | Art
巷房個展2015
8月8日(土)まで銀座巷房で作品展をやっています。
ぜひご来場下さい。
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by katayama_t | 2015-08-03 17:35 | Art
シュタイナー学園でエポック授業2
粘土で形を作ってから約2週間空けていよいよ野焼き。今回は物が小さいし粘土が乾燥しているので簡単には割れそうにないが、念には念を入れて外側から徐々に炙っていき、最後は火力の強い竹を入れて一気に温度を引き上げる。粘土が焼けた温度は火の色から判断してだいたい700℃から温度が高いところでも800℃程度なのではないかと思われる。

焚き火で火力を調節するにはある程度の経験が必要である。子どもの頃によく火で遊んでいた人は火の扱いが自然と身についているが、そうでない人は、火力を安定させることができずに、燃えすぎてしまったり火が消えてしまったりということが起きる。

私が子どもの頃は冬になると朝には必ずどこかで焚き火があり、道行く人があたっていった。焚き火を囲う者どうし何気ない会話をしていた記憶がある。そしてそれを見て、子どもたちも火遊びを覚えていったような気がする。そんなふうに火が日常にあったので私たちから上の世代は比較的火の扱いに慣れているが、下の世代になると、バーベキューをするにも着火剤が無いと火を起こせないような人が多い。また、最近では火を燃やしてはいけない場所が多く、賃貸住宅でもオール電化などと言って、生活の中で火を見ることがまったく無い人も増えている。

こんなことで大丈夫だろうか? と心配になるが、同じような心配はいつの時代にもあったのかもしれない。便利なものが発明されれば、その分人間の能力のどこかが退化するのは自明だ。しかし、それでもなお思う。火や土と切り離された人間は本当に大丈夫なのだろうか?

野焼きをしている間、ここの子どもたちは、竹を鋸で引いたり、火で遊んだり、笹を採ってきて火で炙って弓矢の矢を作ったりして、すっかり道具や火に慣れている様子。子どもの頃からこうしていれば当たり前に道具や火が扱える大人に育つだろう。

子どもの人数が少ないことが気がかりだが、ここでしか経験できないことをもっとたくさんさせてあげたいと思う。
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by katayama_t | 2014-11-03 22:08 | Art
シュタイナー学園でエポック授業1
ひょんなことから長南町にある「あしたの国シュタイナー学園」で焼き物の授業をすることになった。

旧知の友人から突然電話があり「相談があるから行っていいか」という話。よく分からないが、いつでもどうぞと答えておいたら、数週間前の日曜日に突然「今向かっているんだけど、道が分からない」という電話(笑)。すぐ近くにいたらしく、説明したら2〜3分で到着した。

改めて話を聞いてみてびっくり。今までまったく知らなかったが、彼はシュタイナー学園に自分の子どもを通わせながら、そこで先生もしているらしい。長南町のシュタイナー学園にはいつか見学に行きたいと思っていたが、こんな形でチャンスが訪れるとは夢にも思っていなかった。

そして相談というのは、私にシュタイナー学園で授業をしてほしいという内容だったのでこれまたびっくりしてしまった。聞くと、台風で裏山が崩れて粘土層が露出し、その粘土で子どもたちが『基地』を作って自由に遊んでいるらしく、せっかくだからその粘土を使って野焼き(縄文式)で焼き物が作れないかとのこと。よくぞ連絡をしてきてくれたと思う。自慢するわけでは無いが自分はそういうことに関しては適任だと思う。野焼きはずいぶん前に藤田昭子さんの作品を河原で焼くのを手伝いに行ったことがあり、その後も何度か自分たちでやった経験がある。それに今でも日常的に火を扱う日々だ。それに、何よりシュタイナー教育に並々ならぬ関心がある。

裏山で採れたという粘土を見せてもらうと、しっかりとした粘りがあり、耐火度も低くなさそう。試しに800℃で焼いてみるとまったく問題無く焼けたので、その粘土を使って授業をやることにした。

授業当日iPhoneのナビを頼りに車を走らせていくと、道路脇にある広い空き地で子どもたちが自由に走り回って遊んでいるのが見えた。『ここに間違い無い!』と思って駐車場に車を入れ、挨拶もそこそこに荷物を下ろして授業の準備をする。

授業をやるのは小学校3年生から5年生の子どもたち7名。それぞれ個性豊かで楽しく過ごすうちにあっという間に時間が過ぎて、終了時刻に。ずっとこうしていたいという気持ちを引きずりながらやむなく片付けをして、また来週会おうねと言って別れた。

自分は子ども好きではないとずっと思ってきたけど、それは自分が自意識過剰でどうやって子どもに接していいのか分からないからだったのかなと今になって思う。自分も子どもになって一緒に楽しんでしまえば子どもたちとのコミュニケーションには何の問題もない。来週はいよいよ野焼き。とても楽しみ。
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by katayama_t | 2014-10-19 20:04 | Art
天使の国
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少し前になるが、ルドルフ・シュタイナー展「天使の国」を観に行った。
黒板絵の実物はどれも素晴らしく、また、ゲーテアヌムの記録写真や映像を観るとその規模と独自性に驚く。コルビュジエやヨーゼフ・ボイスなど多くの芸術家や建築家などがシュタイナーから多大な影響を受けたのも頷ける。

シュタイナーというと「人智学」という独自の思想を読み解くことがその世界を理解する近道だろうと思って、20代の頃にいくつか本を手にとっては挫折した経験がある。そこには何か重要なことがあると感じさせるのだが、どうにも取っつきにくくて入り込めない。

それが最近、友人の白石さんから教えてもらった「ミュンヘンの小学生」「ミュンヘンの中学生」という2冊の本を読んで、「なあんだ、シュタイナーの思想を理解するためには、素直にシュタイナー教育から入っていけばいいのか」と思った。この本は1970年代のミュンヘンでシュタイナー学校へ通っていた娘を通して知ったシュタイナー教育の体験談。本に書かれた内容は「実に素晴らしい」の一言。それは単に教育方法が素晴らしいということだけではない。いやむしろ「教育方法」という言葉から連想されるような一種のハウ・ツーを否定している。「シュタイナー教育」とは教育方法に関する固定したドグマの一種ではなく、確固とした人間の本質に関する基本認識を持ちながら、教師自らが感じ考えて子どもたちと共に実践していく人間育成の過程である。その「人間の本質に関する基本認識」というのが、どこか神秘主義を感じさせる怪しげな理論だったりもするのだが、それが教育課程に反映されてゆくと、なるほどとうなづける。例えばシュタイナー学校では子どもが生まれてからおとなになるまでの、ほぼ20年の年月を3つの「7年期」と呼ばれる段階に分けて、そのそれぞれに、本質的な教育課程を定めている。

第1・7年期/生まれてから7歳まで 身体の健全な発育と、5感による環境の模倣
第2・7年期/7歳から14歳まで 芸術体験によって世界を美的に感じ取る
第3・7年期/14歳から21歳まで 思考把握によって世界と人間のことを知る

つまり、シュタイナー学校が考える子どもたちの発達段階に合わせた教育を行うということなのだが、それだけではなく、特筆すべきは早期教育を諫めている点。例えば7歳から14歳までの第2・7年期に多くの本を読んで知識をたくさん持っている子どもや、物事の要点をまとめて理解する論理思考に長けた子どもは、現代日本では優等生とされるだろうが、シュタイナー学校では問題児とされる。この時期の子どもには上記のように「芸術体験によって世界を美的に感じ取る」ことが必要であり、例えば数学や文法などどうしても抽象概念が必要だと思われるような勉強でも、ひとつの芸術体験として、子どもがまず感性で触れていくようなやりかたで行われる。

芸術体験や芸術教育などと聞くと、絵を描かせたり、音楽を聴かせたり楽器を演奏させたりすることを考えがちだが、それだけではなく、例えば家を作る授業や、農作物を作る授業があり、その中で子どもたちは、五感を使って世界の美しさに触れていく。数学や歴史、国語の授業でも絵を描いたり図を描いたり、物語を聴いたりしながら、やはり五感を働かせてその世界を美的に感じ取りながら自ら考え学んでいく。各教科が独立した別々のものではなくて、それらすべてが関連して美的な世界を形作っており、美を基本として、世界を1つの統合された全体として感じ取られるように計画されている。そこでは記憶力や論理思考力などをそれのみで独立して発達させることを諫め、この時期にいわゆる狭い意味での「勉強」が飛び抜けてできる子どもは、一種の偏りであり、問題児とされるのである。

芸術を人間の営みの中心におくという思想で思い出されるのは、ヨーゼフ・ボイスの社会彫刻という概念だ。ボイスの言う「すべての人はアーティストである」という言葉の意味は、今まで理解しているつもりでいたが、シュタイナー教育の思想を知ってより深く理解できた。それは、来るべき新しい「芸術」の概念ではなく、すべての人が世界を美的に捉え、それぞれの立場でアーティスト(この言葉が誤解を生むことを承知で言えば)として生活していくという意味だ。今までの「芸術」という概念の枠外にある思想であり、絵や彫刻など既存の芸術はもう古いという意味では決してない。
by katayama_t | 2014-09-16 15:45 | Art
ゴールデンウィークという名の何か
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まったく休みがない連休が終わった。

昨日は「いちはらアートミックス」で指輪ホテルの公演を観た。鉄道車両や外の風景を存分に活かした演劇は、特に新しくはないが素晴らしかった。「新しい」必要なんて無いのだ、芸術というものは常にその場その時間に1回限り生まれていくものなのだと改めて思わせられた。技術や手法が新しいなんていうものはありふれているし、すぐに陳腐化する。問題は考え方であり中身なのだ。そういう意味であの演劇は素晴らしかった。ラストシーンの美しさには思わず涙が出そうになった。おおげさに言えば生きることの意味を味わうことができた。

そして今日は朝8時に子どもたちを連れて家を出て、10時に千葉市美術館で作品セッティングをして午後から車で上野の国立博物館へ「キトラ古墳展」を観に行ったが、観覧までに80分かかると言われ、あっさりあきらめ、バルテュスをちら見してから上野動物園へ。パンダや象や猿、キリンなどを見て、帰りはアクアラインを飛ばして家に着いたのが4時半。コーヒーを飲んでから混合ガソリンを買ってきて薄暗くなるまで草刈り。

それにしても、キトラ古墳展がものすごく混んでいたが、皆あんなもののどこが面白いのだろう? 人に見せることを前提としない絵や彫刻というものは、私にとっては重要なテーマだからぜひ見たいと思うが、並んでいたあのたくさんの人たちはいったい何を思って見に行くのだろう?

似たようなことを正倉院展の時にも感じる。金や銀や宝石などをあしらっていない木や紙や布でできたあんな古めかしいものをありがたがる国民性っていったい何だろう? わびさびの世界に通じるのはもちろんだが、それだけではなくて、日本という国は結局根無し草的なところがあるのか、自分たちのアイデンティティを常に探し求めているような気もする。古墳や正倉院を見ると、今の韓国や中国の影響は甚大である。そこを知るだけでもこの訳の分からない古いモノ好きの国民性は価値があるのかもしれない。
by katayama_t | 2014-05-06 20:39 | Art


記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
by katayama_t
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