Katayama Takatoshi Weblog
ストレスの消えた春
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福島第1原発:低濃度汚染水、海に放出 1万1500トン:毎日新聞 11/04/05

『 東京電力は4日、東日本大震災で被災した福島第1原発の施設内にある、低レベルの放射性汚染水計1万1500トンを海へ放出すると発表した。
---- 中略 ----
 放出による人体への影響について東電は、漁業が行われていない同原発から半径1キロ圏内の外でとれた魚類や海藻を毎日食べ続けたとしても、成人で年間約0.6ミリシーベルトの内部被ばくにとどまるとの試算に基づき「影響は少ない」とした。』

こういう説明がいったい何の役に立つのだろう? 魚も水も移動するし、世の中には子どもだっている。今後人類は原子力とどう付き合うかという時に、「影響は少ない」とか「ただちに影響はない」とかいう話はどうだって良い。考えられる最悪のシナリオを想定したときに、どういう影響が出るのかということを示して欲しい。そうした上で初めて私たちは、どういう道を選択するのかという判断ができる。今回のことは、考えようによっては人類の未来を左右する大きなチャンスかもしれないのだ。

地球温暖化問題の切り札として原発は脚光を浴びてきたが、温暖化のリスクばかりが強調されて、原発のリスクはまったく顧みられることはなかった。猛毒の廃棄物を出し続けて、その処理方法も確立されておらず、事故が起きれば世界中を巻き込むような代物を増やし続けるなんてどう考えても狂気の沙汰だと思うが、「原発は危ない」と言えば科学音痴のように扱われ、公の場でそういう議論は封印されてきた。

科学というのはノイズや誤差を切り捨てて出てくる結論に基づく普遍性だが、人間が作り、管理するものにはノイズや誤差はつきものだ。どんなに完璧な計画を立てても、それを施工し、管理するのは、間違いだらけで、能力に個人差が大きい人間なのだ。

学生の頃、工事現場でバイトをしていて、ずさんな施工はいくらでも見てきた。ある現場ではまともに鉄筋を溶接できない溶接工がいた。また、他の現場では石膏でできた大きな装飾天井は吊った時点ですでにヒビが入っていたが、そのまま隠して施工していた。そういう一般の建造物と何重にもチェックされる原発の施工を一緒にするなという指摘もあろう。だが、今まで起きてきた原発の事故はそういうチェックが働かなかった結果ではないのか?

偉そうなことを言うつもりはないし、私自身そういう資格もない。今まで原発の問題を認識しながらも、具体的な行動を起こしたわけではないし、いつのまにかエアコンなどというものの恩恵にあずかるような生活が当たり前になってしまっていた。原発問題というのは東電の管理の問題などではなく、私たち自身の意識の問題なのだと思う。電気が消えた街並みを見て、妙にほっとしているのは私だけでは無いだろう。コウコウとともる色とりどりの電飾看板が今まですごいストレスだったのだと、それが消えてみて初めて分かった。
by katayama_t | 2011-04-05 23:32 | Social | Trackback | Comments(0)
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