Katayama Takatoshi Weblog
プロとアマチュアの違い
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アマチュアとプロの違いについて考える機会があったのでメモ

プロフェッショナルという言葉には2つの意味がある。
単純にその仕事で得た対価で生活ができているかどうかを言う場合と、その仕事に対する姿勢の厳しさを指す場合の2つだ。もちろんその2つが両立している場合も多いとは思うが、両立しない場合も相当数あると思う。もし生活の糧を得られていないというだけで、プロではないとするならば、芸術家の多くはプロではないことになってしまう。皆が知っているあのゴッホだって生涯を通じて数枚しか絵が売れなかった。

プロフェッショナルという言葉の対義語としてアマチュアという言葉がある。この言葉にも2つの意味があり、1つは「素人」、つまり未熟でその仕事に必要な技術をマスターしていない者を指す。そしてもう1つは「愛好家」という意味だ。愛好家というとつまり素人のことだと考える人もいるかと思うが、この2つはまったく違う。

アマチュア(amateur)という言葉は、イタリア語のアマトーレ(amatore)を語源としていて、これは愛するという意味のamareから派生した言葉だという。つまり、アマチュアという言葉は本来何らかの対価を得ることを目的とせずに、好きだからやる、愛に導かれてやるという意味だ。それに対してプロフェッショナルというのは、仕事に対する姿勢や、得られる金額のことを指していて、その仕事が好きか嫌いかは関係ない。

プロフェッショナルという言葉も、アマチュアという言葉もこれらの意味を区別しないで使っているからややこしくなるのではないかと思う。この2つの言葉を対義語としてとらえるのも間違っているのではないか。だから最初に書いた「アマチュアとプロの違い」という問いも、その問いの立て方自体が間違っている。

本来的に商業と深く結びついているデザイナーという職業ならともかく、芸術家なんてものは、その仕事が好きだという動機に導かれてやるものであって、それで生活ができるかどうかは本来副次的なものであるはずだ。

あくまでも副次的な結果としてたくさん収入があるかもしれないし、まったく収入が無いかもしれないが、それは作品の価値とは関係が無いのだ。

芸術という概念は19世紀以降にできた。それまで絵画や彫刻は誰かの依頼によって作られていた。だから画家や彫刻家というのは「職業」だった。

だが今は違う。先日知り合った染織家が、若い頃に有名な染色作家に弟子入りを申し込んだところ、「まずは他に仕事を確保しろ、この仕事では食えないから」と言われたそうだ。芸術家というのは本来そういうものなのだ。

by katayama_t | 2018-02-19 21:49 | Art | Trackback | Comments(0)
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