小さい頃から学校には馴染めなかった。
幼稚園に行く意味がわからず、時々行くふりをしてさぼった。あるとき近所の子どもたちを誘ってさぼろうと画策したが結局皆行ってしまい、私は一人で遊んでいるところを近所のおじさんに見つかり無理矢理連れて行かれた。行ってみるとその子たちは楽しそうにブランコに乗ったり、砂場で遊んだりしていたのだが、私には遊具というものの楽しさがわからず、「なんだつまらん連中だな」と思ったことをはっきりと覚えている。
ほとんど口も開かなかった。そんなことだから当然友人はできない。人と友と言える関係が結べたのは高校に入ってから音楽を通じてだ。そして高校卒業後に美術をやるようになり初めて複数の友人ができた。
実のところ私は学校に行く意味もそこで勉強をする意味も未だによくわからないでいる。そして、ここは自分がいるべき場所じゃないといつもいつも感じながら大学で仕事をしている。