Katayama Takatoshi Weblog
ボルトの緩み止め
今さらだが、心配になってきた。彫刻を設置したのは良いが本体を締め付けているボルトが緩みはしないかという心配だ。基本的に緩むような箇所ではないとは思うが、外に設置してあるので何が起きるかわからない。

そもそもなぜボルトは緩むのかというと、その原因の多くは振動だ。ボルトナットには必ずわずかな隙間(あそび)がある。隙間があるから回せるわけでこれがないと摩擦抵抗でびくともしないはずだ。で、ボルトナットを締め付けるというのは何をしているのかと言うとボルトのねじ山の上側とナットのねじ山の下側を擦り合わせて摩擦を大きくしているというわけだが、これに高速振動が加わると締め付けたはずのボルトナットに瞬間的にわずかな隙間が出来る。どんなに締め付けてもこれは起きる。振動というのは侮れない。で、波の原理で回転力が加わり緩んでくるというわけだ。

これを防ぐ方法には大きく分けて2通りあり、1つは摩擦抵抗を上げる方法、もう1つは物理的に動かなくする方法だ。前者の方法はスプリングワッシャや、ダブルナットを使う方法で、比較的容易にできる。で後者の方法は締め付け後にネジを軽くつぶしたり、ペンキや接着剤を塗ったり、止めネジを通したり、割ピンを通したりというような方法があり、こうすると原理的にはまず緩むことはない。…原理的には、だ。
d0094333_1513621.jpg
…私が乗っている車(イタリア車)は割ピンが錆び落ちて操舵のためのテンションロッドが走行中に抜けたことがあるが、これは「どうして錆びるような箇所にステンレスを使わないのか? 」という、日本人には理解し難いようなイタリア人のなせる技だ。まあ、こんなことは普通はない。大丈夫だ。

余談だが、ちなみに車やバイクなどに使われているボルトには使用箇所によって締め付けトルクが決まっていて、それを守らないと走っている途中で緩んだりあるいは締め付けすぎてボルトを破損してしまったりすることがある。だから自動車整備にはトルクレンチが必要になるが、そういう特殊工具が無い場合はボルトの太さや材質によって使うレンチ(スパナ)を選ばないとえらいことになる。私は以前小さなボルトに大きなモンキスパナを使ってボルトを折ってしまった経験が2回ある…。ボルトがすでに締まっていても、てこの原理でかる〜く回ってしまうのだ。

まあ、それはさておき、話は彫刻の固定だ。こういう知識と経験を基に私はどういう方法で固定しようと考えたかというと、スプリングワッシャを使って更にその後ボルトとナットを軽く溶接するという方法を選んだ。これは完璧だ。
どう完璧かというと溶接の長所は絶対動かないことだが、短所は溶接するときにその熱で金属が縮んでしまうことだ。ナットの上側とボルトを溶接すると熱で縮むぶん原理的にはナットの下側に隙間ができるはずで、これはまずい。いや、まずくはないが…目に見えないほどの隙間だし、強度的にはまったく問題ないだろうがやっぱり気持ち悪い。美しくない。そこで、この解決策としてその目に見えない隙間をスプリングワッシャで補おうというわけだ。おお! なんて美しい解決方法なのだ! と自分のアイデアに酔っていたのだが、ここで致命的なミスをしてしまった。

忘れたのだ。…溶接するのを。当日雨が降っていたし、皆てきぱき仕事していてあっという間に作品も車に載せられてたし…。作品の裏側だから当日人手があるときにひっくり返してもらって溶接するつもりでいたのだがすっかり忘れていた。

振動するような箇所じゃないし、スプリングワッシャは使ったし普通は緩まないが、摩擦で止まっているだけなんだと考えるとなんとも頼りない感じがして昨日から落ち着かない。でも敵は9mの高さにあって悠然と舞っており、そう簡単に近づけない。
ふう…、明日相談してみよう。
クレーン車が構内で作業するような日があったらついでにこっちに寄っていってもらえないか、と。軽くペンキを塗るだけだからすぐに終わるからって言おう。
by katayama_t | 2007-02-11 15:18 | Art | Trackback | Comments(1)
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Commented by hermes cheap at 2014-03-10 20:19 x
euler hermes fr ボルトの緩み止め : Dessin
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