今日
ローザスのDeshを観に行った。ローザスを観るのは数年前スティーブ・ライヒのドラミングに振り付けた作品を観て以来だ。あの時の舞台はすばらしかった。あのダンスを観ることによってライヒのドラミングという音楽のすばらしさに初めて気がついたような気がした。
今回はインド古典音楽を使っているということだったのでどんな舞台になっているのか全く想像できなかったが、結果としてはまあ、悪くない。久しぶりにダンスらしい良いダンスを観たという感じだ。とはいえ、もう一度観たいと思わせるほどのものではなかった。
今回の舞台は全5曲使い、それぞれで完結するようなオムニバス的な印象を受けた。めずらしくソロで踊る曲も2曲あったが、私にはやや退屈だった。ローザスの良さはやはり群舞にあるのだろうと思う。ミニマルミュージックに合わせてユニゾン的に踊る動きのズレや時折入る対位法的な広がりの中に透徹した興奮があるのだ。観客としての勝手な言い分だがドラミングで見られたようにもっとシンプルにそういう動きを追求したほうが見応えがある。舞台袖に雑然と置かれた椅子や、飲み水のボトル、ダンサー同士が打ち合わせするような仕草など過剰な演出もちょっとやり過ぎだと思う。でも、次にローザスの公演があればまた行くのだろうな。ローザスの振り付け家「アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル」は、なんだかんだ言ってもやっぱり才能あふれる良い振り付け家なのだ。