夜風が気持ちいい。
今住んでいるこの辺りはまだ自然が残っていて、それが良くて引っ越して来たのだが、ここ10年くらいの間にずいぶん道が舗装されて来たらしい。家の前の道も木漏れ日が落ちる真夏でも涼しい木のトンネルだったのを昨年道にかかる木を伐採、道幅を拡張して舗装した。毎年たくさんの実を付けていた柿の木も、おいしい実のなる枇杷の木も、あっさり伐られてしまった。風景がどこも同じになってしまうようで残念だが、そう思っているのは私たちだけで地元の人たちは皆喜んでいる。道という道を全部舗装して交通の便も良くしていくことが町の発展に繋がると信じて疑わないようだ。
そもそも「発展」という発想がよくわからないが、この辺の田舎によくあるような大手の不動産会社が開発したペラペラの家が建ち並ぶ新興住宅地は明らかに衰退だろうと思う。張りぼての家が建ち並ぶああいう場所に住んではいけない。そんなところに住むと少なからず精神が影響を受けて、人生を台無しにするだろう。