今日は学外授業の下見で午後から汐留ミュージアムでやっている
バーナード・リーチ展に行った。バーナード・リーチは日本滞在中に柳宗悦や濱田庄司らと親交を深めた民芸運動に関わりの深い作家の一人だ。民芸運動というのは「名高い作家が作った芸術としての工芸」ではなく、「名もない工人が作った伝統的なデザインによる日用品」に用の美を見いだすというその思想はすばらしいし、無名の工人が伝統にのっとって作ったものに良い物がたくさんあることも事実だが、何を持って民芸と言うのか?また、現代における民芸とは何か?と考えると今ひとつ釈然としない。それはその後「民芸風やきもの」とか「民芸調」などと言われて地方の土産物屋に並べられた悪趣味な器が物語るように、各地で作られていた伝統的な日用品をまとめて「民芸」と名付けたとたんにそれは「民芸」という1つのスタイル(デザイン)になってしまったのではないか?という疑問がある。「民芸風やきもの」と「民芸」の違いはどこにあるのか?また、現代において日常的に使われる工業製品、例えばアルミ鍋とかフライパンとかボールペンとかカッターナイフとかスニーカーなどは生活に根ざした良いデザインであるが、それらと民芸との違いは単に「手仕事」で作られているか否かということなのか?
結局のところ「モノ」というのはその成り立ちに関わらず「良い」か、「わるい」か、しかないのではなかろうか?
私はバーナード・リーチの器を「良い」と思ったことは無いが、デザインを志す学生達にとっては知っておかなければならない作家の1人だろうとは思う。17日(土)にギャラリートークがあるので今度は陶芸を教えている学生達を連れてもう一度行こうと思う。学芸員の説明を聞けばもしかしたら私の民芸に対する疑問も少しは晴れるかもしれない。
その足で、地下鉄に乗り、表参道に出来た
MOMAデザインストアに行った。こちらはいわゆるモダンデザインが目白押しで、民芸の作家を見た後にモダンデザインを見て比較するというのもまた一興だ。
ミサワ・バウハウスコレクションの展示も捨てがたいがこちらは平日でないとやっていないので学生を連れて行くのは難しい。