Katayama Takatoshi Weblog
2006年 12月 12日 ( 1 )
コンテンポラリー “ソッテ”
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一月(ひとつき)ほど前、河原を散歩していたときに奇妙な造形物をみつけた。何なのか後で誰かに聞いてみようと思っていたのだが、そのまま忘れていた。それが、昨日ひょんなことから話題に上ってあれはソッテというのだということがわかった。

今滞在中の大学に彫刻を設置することになったことは以前書いたが、その模型を見た人が「これはソッテに似ていますね」と言ったのだ。私は「何ですか、そのソッテというのは?」と聞いたら、webで写真を見せてくれた。それを見て私は「あっ、これ知ってます。河原で見ました。」と言って、ソッテについていろいろと質問した。その人が言うにはソッテというのは韓国の伝統的な守護神で、鴨を象った彫刻だという。昔は家の前によく置かれていたが、今ではほとんど見かけないし、あっても単に飾りのために置いているだけだ、ということだった。

自分の作るものがソッテに似ているのなら作品のコンセプトの背景にもなるかもしれないと思ったので自分でも調べてみた。いくつかのwebsiteを見て分かったことは、昔の韓国(朝鮮)では神が天に住んでいると信じられており、天に向かって伸びるもの、例えば山や木などは神が行き来する場所だと信じていたそうだ。そして、鳥は天と地を繋ぐ使者とされていた。だから天に向かって祈りを捧げる場所にソッテを立てたということのようだ。

鳥信仰というのは、世界中に見られるし、韓国のソッテのように柱の先に鳥を止まらせている造形物(鳥竿)もアジア各地にたくさんある。特にタイや東南アジアの山岳部では今でも普通に見られるものらしい。日本の神社にある鳥居も鳥が居ると書くが、組んだ木のてっぺんによく鳥がとまって居たからだという説もある。鳥竿も組んだ木や長い棒の先に鳥が自然にとまっていたのを模して木彫りの鳥をつけるようになったのだろう。

多くの国にある鳥竿だが、韓国以外の国々ではリアルに彫られた鳥がとまっているのに対し、韓国のソッテは細い木の枝を組み合わせただけのものが多く、鳥の形がより抽象化されているという特徴があるらしい。それで、私の彫刻がソッテに似ているということになったのだ。私自身は鳥のイメージは無かったのだが、ソッテのように抽象化されていれば長い棒の先に何か細いものが横向きに付いているだけで、ソッテに見えてしまうだろう。
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その模型を持って今日、教授たちに作品プランのプレゼンをしたのだが最後の質問の場面でも、ソッテのイメージがあるという話が出て来て皆頷いていたので、韓国の人たちには容易にそう見えるものらしい。

そこまで似ているのなら作品タイトルかコンセプトテキストの中でソッテについて触れるのもいいだろうと思った。形が似ているのは偶然の一致だが、うまく韓国の伝統と結びつけることができれば、外国人にも関わらずその土地についてよく調査していると肯定的に見られることもあるだろう。この作品は長く残って人の目に触れるものだから失敗は許されない。作品にとって有利になることは何でも利用して少しでも多くの人にかわいがってもらいたいものだ。
by katayama_t | 2006-12-12 22:31 | Art | Trackback | Comments(0)


記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
by katayama_t
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