Katayama Takatoshi Weblog
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長谷川等伯展
長谷川等伯没後400年記念展が上野の博物館でやっている。これは絶対に見るべし!
等伯は私にとって特別な存在だ。実を言うと今の私の作品は等伯から最も影響を受けている。

だから妙な評論家がつまらないことを言うと過敏に反応する。
例えば、昨日の毎日新聞の記事の見出し。

「脳科学者・茂木健一郎さん 「松林図」の世界、謎解けた」

なにぃ?!! こういうバカな見出しを見ると
「何を言うか! この大馬鹿モノが!!」と思う。
ちなみに本文ではこんなことを言っている。
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 等伯の代表作といえば「松林図屏風(びょうぶ)」。とても日本的で特異な作品に彼がどうやってたどり着いたか私には謎でした。今回若いころから年代順に鑑賞できたことでわかった気がします。
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http://mainichi.jp/enta/art/tohaku400th/news/20100225ddm012040027000c.html

なんと浅薄な! 新聞紙上で簡単にそんなことを言われちゃ困る。頼むから思うだけにしておいてくれ。思うのは勝手だ。どうしても言いたいのなら自分のblogだけにしておいてくれ。そうすれば見ないで済む。

私はその昔、等伯に川村記念美術館で出会った。出光が持っている「松に鴉・柳に白鷺図屏風」と川村が持っている「 烏鷺図屏風」を向かい合わせに並べた贅沢な展示だった。それまで日本美術にさほど関心はなかったのだが、この絵にはびっくりした。その場から動けなくなった。わけもわからず涙がでた。

絵にまったく「作為」が見えなかったのだ。これは衝撃だった。
絵を描くにはもちろん作為はいる。でもそれが見えない。
人間はこんなふうに絵が描けるものなのだ、と初めて知った。

その頃はまだ今ほど等伯が注目されていなかったせいか、日曜日だというのに人はまばら。今回の展覧会はどうだろう? 人がいっぱいだろうか?
いずれにせよ、必見である。
by katayama_t | 2010-02-26 23:00 | Art | Trackback | Comments(2)
東京奇譚集
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昨日は病院で一日中検査。
私は若い頃の無理がたたって19才の頃から定期的に病院にかかっている。「10年以内に癌にかかるリスクは50パーセントです。1年に1度検査してください。」と言われたのが20年前。それから1度もしていなかったが、新薬の治験があるというので、それなら事実上タダで検査できるだろうと思って申し込んだ。

看護師がいかにもめんどくさそうに検査の手順を説明をする。『こんなめんどうな検査をどうしてするのか』と思っていることがありありと伺えるようなイヤな感じだ。たぶん何か嫌なことがあって機嫌が悪いのだ。
こういう場合は質問に対して「はい、いいえ」で簡潔に答えておくに限る。

「今までに大きな病気をしたことはありますか?」
「いいえ」

「(専門用語)〜にかかったことはありますか?」
「(わからなくてもとりあえず)いいえ」 

さわらぬ神にたたりなしである。

待ち時間が長いので一ヶ月ほど前に買ってあった村上春樹の「東京奇譚集」の文庫を持って行く。
読み始めたら止まらない。けっこういい話。好き嫌いはともかく、この人はやっぱり力があるのだなあ、と再認識する。

「観察して、観察して、更に観察して、判断をできるだけあとまわしにするのが、正しい小説家のありかたなんだ。」

「職業というのは本来は愛の行為であるべきなんだ。便宜的な結婚みたいなものじゃなくて」

などという言葉が深く自分の中に根を下ろす。
ちょうど読み終えたところでようやく検査開始。

医者が画面を見ながらいろいろ聞いてくる。
「今までに手術したことはありませんか?」
 「いいえ」
「盲腸もない?」
 「(くどいな)ありません」
「あれえ?」
 「何?」「何ですか?」
「……」「おかしいな」
 「え?(なにが?)」
「手術してない?」
 「してません」「なぜですか?」
「癒着が…。」
 「はい?」
「何か炎症があって自己治癒した後みたいですねえ…」
「たぶん自分でも気づかないうちに大きな潰瘍ができていてそれが自然に治ったのだと思います。」
 「はあ、そうですか」

そういわれてみれば、血を吐いたり、下血したりということは今までに何度かあった。そのくらいはたいしたことではないと思っていたが、自分が思っていたよりも大きな炎症があったのかもしれない。

検査の後に元看護師の治験コーディネーターの方が今後の予定を説明してくれた。ものすごく親切でやさしい。もし自分が弱っている病人だったら惚れてしまうかもしれない。月に1度この人に会えるのが楽しみになってきた。1年後に結果を見るためにまた検査をするなんて嫌だからその前に途中下車してしまおうかな、なんてずるいことが頭をよぎっていたが、この人をがっかりさせるのは忍びないので最後までしっかりおつとめしようと思う。

検査薬の副作用のめまいが治まってから家に帰った。
そしてふと家の本棚を見ると「東京奇譚集」の単行本が…。
ああ、…またか。
数年前に買って、いつか読むつもりで忘れていたのだ。
それにしてもどうして今まで目につかなかったのだろう?
by katayama_t | 2010-02-25 06:33 | Life | Trackback | Comments(1)
ようやく戸締まりができるように
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ドアに片方だけ取っ手を付けて、南京錠を取り付けてから、さて、このドアはどうしてこう唐突な感じがするのか? と考えた。
デザインはもうしかたがないとして、もう一つの原因は壁と材質が異なる上に、面が合っているせいじゃないかと思う。ドアを100mmほど奥に取り付けて、壁との見切りをもう少し広くとれば、壁とつなげて見ないので違和感は少なくなるはず。

壁に漆喰を塗るとさらに違和感は増すような気がする。壁をレンガにするという手も無いことは無いが、ヘタをするとテーマパークみたいに薄っぺらくなる可能性はある。これ以上西欧風にして、道行く人に「あら、素敵ねえ♪」なんて言われるのはごめんだ。今からドアの位置を動かすことは大仕事なので、なるべく少ない労力で違和感の無いたたずまいにしたいと思う。

漆喰にしてから柿渋を塗ってヨゴシを入れるというのもありかな…。あるいは両脇にドアの高さほど薪を積むとか。まあ、まだ先の話だし、その頃には時が解決するかもしれないが。
by katayama_t | 2010-02-22 06:43 | Construction | Trackback | Comments(0)
玄関ドアとりつけ
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やってしまったかな…。
これではまるでステーキハウスのドアだ。

玄関脇にたいまつを焚いたりしたら、お腹を空かした人がレストランと間違えて入ってきてしまうかもしれない。

日曜日にドアをつけた。
…ちょっとやばい感じもするが、今さらもうどうしようもない。
このまま突き進もうと思う。
by katayama_t | 2010-02-15 17:51 | Construction | Trackback | Comments(0)
レクチャー当日
クリストは現在進行中の2つのプロジェクト「オーバーザリバー」と「マスタバ」についてスライドで説明した後、会場からの質問に答える形で多くのことを語った。

ジョークを交えながらとてもたくさんしゃべったが、中でも印象に残ったのは、「コミッションをしないことで作品は成長する」と言ったこと。ベルリンにあるドイツ連邦議会議事堂「ライヒスターク」を梱包するプロジェクトでは、当時のコール首相がプロジェクトに反対し、あらゆる手を使って阻止しようとした結果、芸術作品(プロジェクト)の可否を国会で決議するまでに至ったという(笑)。結果可決され、ライヒスタークは構想から23年もの歳月をかけてようやく梱包されることになったが、コール首相が反対してくれたおかげで人々にアートの意味を深く考えるきっかけを与えることができ、構想段階よりも100倍も意義深いものになった。
クリストの作品はその過程も含めて全てが作品なのだということがよく分かるエピソードである。

また、「なぜ梱包するのか」というシンプルな質問に対する答えも明瞭で良かった。たぶん今まで何度も同じ質問を受けてきたのだろう。クリストは即座にロダンの作ったバルザック像を引き合いに出し、「ロダンはバルザック像を2つ作った。最初にバルザックの裸体を作り、それは腹が出て足は細く貧弱な彫像だったが、次に実際にバルザックが使っていたクローク(外套)に石膏をかけその彫像に巻き付けた。そうして出来たのがニューヨーク近代美術館にあるバルザック像だ。」と言い、「私の作品も細かいディテールを覆い隠すことでプロポーションを強調してみせている。また、布は風を受けてダイナミックに動き、とても美しい。」と説明してみせた。ロダンのバルザック像制作過程の話はマユツバものだが、うまい説明だと思った。バルザック像は藝大の構内にもあり、学生の頃はよく眺めていた。モニュメンタルな力強さがあり、ロダンの作品の中でも特に優れているが(数あるロダンの彫刻の中でも藝大にこれを置くことを選んだ人は慧眼だったと思う)、完成当初は全く受け入れられず嘲笑の対象となったそうだ。「彫刻とはこういうもの」というその時代の先入観にとらわれた目で見るとあの像はディテールが何も表現されていないできそこないの彫刻に見えるのだろうが、逆に現代に生きる私たちのように、ロダンの時代の一般的な価値観にとらわれていない目で見れば優れた彫刻であることは一目瞭然である。

クリストの作品も「なぜ梱包するのか」あるいは「なぜ覆い隠すのか」と問うことにはあまり意味がない。意味など問わず、巨大な布がはためく圧倒的な美しさを感じるだけで十分なのだ。

以下はクリストがアンブレラプロジェクトのドキュメンタリーの中で言っていた言葉。
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「アンブレラ」がなくても世界は続く。「ランニングフェンス」や「囲まれた島々」がなくてもね。このプロジェクトは僕がはじめたものだ。純粋なひらめきを反映していて深い不合理的な側面を持っている。正当な理由はない。作品の存在理由など何もない。私「クリスト」がやりたいからやったんだ。
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こうはっきり言ってくれると気持ちがいい。
意味など無く不合理で、とてつもなく美しい作品である。
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写真は21_21で来場者にサインをするクリスト
by katayama_t | 2010-02-13 22:56 | Art | Trackback | Comments(1)
玄関には南京錠
大学に泊まり込んで扉の制作。
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ドアの厚みがあるので、ラッチやレバーなどドア部材の寸法がことごとく既製品と合わないが、ネットで輸入品を探したり自作できるところは自作したり、改造したりしながらようやくこの週末には取り付けられる目処がたってきた。

ドアラッチがまだ届いてないので取っ手は付けられないが、鍵は閉まるようにしたい。ホームセンターで南京錠を探したが気に入る物が無く、ネット検索の末辿り着いたのは「堀金物」という会社が作っている南京錠。シンプルで美しい。d0094333_17203763.jpg
新橋に「堀商店」という店を構えているのでとりあえず実物を見るために行ってきた。店はいかにも古そうなビルで、中に入ると魅力的な金属の塊たちが鎮座している。ショーウインドウには古い異国の錠前が展示されていてなんだか博物館に来たみたい。聞けば創業120年だという。
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目当ての南京錠は胴体が真鍮、バーがステンレスでずっしりと思い。13650円という少し高めの値段だったが躊躇せず購入。鍵だと思うから高く感じるが、彫刻だと思えば安いものだ。
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帰りに京橋まで歩いて巷房に寄って周さんの展示を見る。残念ながら本人はいなかったが、今回の展示はフランスで3000枚くらい制作したドローイングの中から選りすぐった作品だそう。見ていくとたった今購入したばかりの南京錠の絵が…。ああ、シンクロしているなあ…。といつもの事ながら思う。
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久しぶりに東崎さんとも話をする。
リラックスしてとても楽しい時間。
ギャラリー山口も無くなってしまったし、銀座の画廊が少しずつ衰退していく中、巷房のような画廊は貴重だ。
by katayama_t | 2010-02-12 17:59 | Art | Trackback | Comments(2)
クリストレクチャー
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今度の土曜日にクリストのレクチャーに行くので、事前に下調べをするつもりでクリストのドキュメンタリーフィルム「Running Fence」を見た。
クリストと言えば建造物を梱包する巨大なインスタレーションで知られるが、これは1972年から1976年にかけて制作された40キロにも及ぶ布製のフェンス。

私は若い頃クリストについてさほど重要視していなかった。建造物を梱包したり、フェンスを設置したりすることで見慣れた風景が一変すればそれなりの視覚効果は上がるだろうが、そこまでして大きな事をやる意味はどこにあるのか? そんなに注目されたいのか? と思っていた。しかし、日本でもやったアンブレラプロジェクトの頃から見方が変わった。

クリストの作品はただ単に視覚効果を狙ったものではなく、その行程も含めて全てが作品なのだ。

このフィルムを見ると、そのことがよくわかる。最初は全く受け入れられなかった地域住民や行政との摩擦を乗り越え、住民を味方に付けて、設置の日には裁判所の中止命令も撤回されていくその過程は、「人との関係のあり方」や「アートとは何か」、また、人間の生きる意味までをも考えさせられる。

以下は設置許可を得るための公聴会でクリストが行った演説。
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布や鉄柱やフェンスだけが作品ではありません。

今現在この場所にも

賛否を問う皆さんも作品の一部なのです

画家が色を使うのと一緒で制作の過程に欠かせません

20世紀の芸術は個人の経験表現ではなく政治的、社会的、経済的な経験の表れだと信じています

私たちが生きている今この時です

絵空事ではないし感情や恐れは私が用意するものではありません

でもそれはプロジェクトの一部で実社会を生きるのと同様です

へき地への旅にも似て感動を覚えます

美しいものになると信じています

感じ方は人によって異なるでしょう

でも僕は確信しています

ナイロン布が光を映し夕焼け時のフェンスは見事な光のリボンになるでしょう
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クリストのレクチャーが楽しみである。
http://www.2121designsight.jp/
by katayama_t | 2010-02-10 12:30 | Art | Trackback | Comments(2)
TVに継いで新聞もやめるか
新聞は不起訴となってもまだ小沢たたきをしている。いいかげんうんざりだ。もともとたいした問題じゃないものをあたかも大問題のように書き立てて、紙面を浪費していったい何が面白いのだろう?
こんなことばかりしていると新聞離れが加速するんじゃないか?

江川紹子さんがまたHPを更新している。こういうまともな意見が多くの人の目に触れることを願う。
http://www.egawashoko.com/c006/000316.html
by katayama_t | 2010-02-09 07:49 | Social | Trackback | Comments(0)
味噌も作る暇がないほど
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忙しすぎて来たメールに返事も出さず、blogのコメントにも返事をせず、失礼していますが、皆様どうか大目に見てほしいと思う今日この頃です。今週で大学の授業が終わるので、来週からは少し時間ができるかもしれない。来週14日からはちょうど旧正月だから、新年快でもやろうかと思う。
by katayama_t | 2010-02-08 22:55 | Life | Trackback | Comments(0)
玄関ドアのヒンジ
玄関ドアのために既製品のヒンジをいろいろ見たのだが、イメージに合うものが無く、自分で作ることにした。
まともな人たちは既製品のドアを使うので、ステンレス製の薄い蝶番で良いが、私はお城みたいなドアを作ろうと思うので、鉄の分厚いヤツが良い。あれこれ見て回ったが、結局気に入るものはなく、溶接用のリベットヒンジに穴を開けて使うことにした。サイズは幅127mm。厚みは4.5mm。恐ろしく大きいが、お城のドアにはこのくらいないとバランスが悪かろう。ビスで留めるための穴を開けてから、ドア前面に付ける鉄の補強板を鉄板で作り溶接。
金属加工は思い通りに事が進み、しっかりした物が簡単にできるので快感である。
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肝心のドアのほうは、側面に付けるための木材が届かず、制作がストップしたまま。個人経営の材木屋さんなので、「社長」が風邪でもひいていたらそれだけでも納期が延びる。ちょっと電話でもしてみるかな。
by katayama_t | 2010-02-03 06:54 | Construction | Trackback | Comments(2)


記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
by katayama_t
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