Katayama Takatoshi Weblog
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当たり前のことだが、畳は日本の伝統文化である。
畳の効能やここち良さなど、たぶん今までにたくさん聞かされてきたが、ほとんど共感できなかった。

何故か?

「伝統文化は良い」というのは、「手作り品は良い」というのと同様に、何の根拠もなく、どこか宗教じみて聞こえたし、そもそも、本棚や机や椅子やベッドをすべてひと部屋に置くワンルームの生活には、あのフニャフニャした畳はそぐわない。木の床に直接布団を敷くのには抵抗はあるが、それも、どうしてもというわけではなく床が冷たくなければ良いのかもしれない。

しかし、そう思っていたのは、今まで共感できるような畳文化を享受していなかったからなのだと今日気づいた。

和室に畳を入れた。
千葉産の藁床と九州のイグサで“普通の”畳を作ってくれるよう近くの畳屋さんに頼んだら、そういう“本格的な”畳を注文されることは長らく無かったらしく、とても感激して丁寧に良い仕事をしてくれた。材料も、藁床や畳表が届いても気に入らなければ何度でも返品して、納得のいくまで吟味したらしい。最近は藁床を用いない軽い畳しか扱っていないらしいが、藁床の畳は60ミリの厚みで1枚が38kgから42kgあり、運ぶだけでも息が上がる。8枚全てが違う寸法で、それを順番に入れていくと隙間無くぴったりと収まった。最後に高さの微調整をして「これで良し」となった時には部屋の空気がピンと張り詰めていた。畳屋さんも久しぶりに本格的な畳を作れて満足そう。適度な弾力と心地よい肌触りがあり、加えてイグサの良い香りに昨夜は興奮が収まらずよく眠れなかった。

しかし、考えてみれば今までだって畳には触れていたはずなのに、どうしてこんなふうに感激しなかったのだろう?

思い返してみれば、ものごころついた時からベッドで寝ていて、畳にもカーペットを敷いていた。今にして思えば、ずいぶんとおかしなことをしていたものだが、畳にカーペットというのはその頃流行っていて、そのために売られている脚の長い鋲を使って化繊のカーペットで畳を覆い隠していた。また、やはり当時の流行だったのだと思うが、母親は何にでもカバーをつけたがった。電話機にもドアノブにも車のシートにもカバーを着けた。畳にカーペットというのも「カバーを着ける」の延長だったのかもしれない。

たぶんその頃からなのだと思う。一般住宅の外も内もイミテーションの素材が使われるようになったのは。外壁にはサイディング、内壁にはプラスチック製の壁紙が定番になり、板はすべてベニヤ板。親の世代は積極的にそういう“新しい”材料を使いたがっていたように見える。食べ物も冷凍食品が普及し、ランドセルも合成皮革、墓石はピカピカの黒御影になっていった。

追い打ちを掛けるように建築基準法は住宅の難燃化を目指して突っ走る。日本は昔から都市の大火に見舞われてきたからしかたがないとはいえ、イミテーションの工業素材を使った住宅は日本人の“素材に対する感受性”を急速に奪ってきたのではないかと思えてならない。それでも、昭和生まれの私たちの世代はまだ、舗装されていない道を知っているし、道に小石が転がっていた世界を知っている。空き地には雑草が生い茂り土管が転がっていて、野良犬が徘徊していて、豚舎や鶏舎が身近にあった。

現在の無味乾燥な日本の風景や、素材に対する感受性の欠如した人達を見て親の世代を批判するのはたやすいが、次は私たちが批判される番だ。“過渡期”を知っている者として、現状に否をつきつける責任があるのではないかと思う。残された時間で何をすべきかをもう一度よく見極めなければならない。

この世界は私たちのものだから。
by katayama_t | 2012-01-28 21:15 | Construction | Trackback | Comments(0)
時計を巡る旅
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壁掛け時計を購入した。スイス鉄道時計のMONDAINE / モンディーン。定番である。

完成されたしっかりとしたデザインが空間を引き締めている感じがして良い。使ってみると大正解だったが、ここに辿り着くまでには長い道のりがあった。

壁掛け時計はずっと欲しいと思っていて、引っ越したタイミングで何か買おうと探していたが、木の壁に合うコンセントプレートが無いのと同じで、木の壁にしっくりと来るデザインの時計もなかなか無い。プラスチックはまず合わないと思ったので木製のものを探したが、木製といってもプライウッド(曲げ合板)だったり、木目の印刷だったり、また柔らかい印象を持たせるために針や文字が繊細な作りのものが多く、力が無い。

それでも実際に質感を合わせてみないと分からないと思って、とりあえずMUJIの小さな時計を買った。これなら失敗してもじゃまにならない。しかし、実際に合わせてみると本物のウォールナットを使っているにも関わらず、安っぽい。文字盤が印刷のせいもあって、本物っぽさを演出しているだけに見える。安物のアパートに置くのならともかく、本物の木の壁には合わない。こういうテイストではダメだ。却下。
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アンティークも探したが、ゼンマイを毎日巻くという生活のゆとりも今のところ無いので却下。アンティーク風デザインというのも気持ち悪いのでダメ。

ネット検索では限界があるので松屋にも行ったし、ハンズにも行ったが「コレだ!」というデザインに巡り会わないまま、悶々としていた。

もう、八方ふさがりだと感じて、やはり作るしか無いのかと思った時に、ふと「モンディーンはどうだろう?」というアイデアが浮かび、即決注文。しっかりとしたデザインであれば木の壁でも大丈夫だと唐突に根拠も無く確信した。

基本無精なので時刻合わせの必要が無い電波時計が良かったのだが、電波時計には良いデザインが無かった。安物の電波時計を買ってきて、機構だけ取り外し自分で文字盤を作るという選択肢も最初から視野に入れていたが、生活のこまごました物事に時間を割くよりも、まずは家を完成させたり、別棟で物置を作って外にはみ出した荷物を収納することに時間を注ぐ方がどう考えてもまともな考えなので却下。

今まで生活に必要な物を買うということがほとんどなく、拾ったり作ったりしてきたが、人が作った物を買うというのもやりすぎなければ悪くない。さて次は何を買うか。
by katayama_t | 2012-01-28 09:13 | Life | Trackback | Comments(0)
アルミナムグループチェア
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普段使っているこの椅子が常々気になっていた。以前この部屋を使っていた先生が購入したオフィスチェアだが、どうしてこんな不細工な椅子を買ったのかまったく理解できない。大きくて愚鈍なプラスチックの塊で、見る度にうんざりさせられるので、ついに他の椅子を購入することにした。

迷ったあげく、イームズに行き着くが、ハーマンミラーのオリジナル品は高くて手が出ないのでリプロダクト品でなるべくまともなものを注文することにした。昨日amazonで、まあまあ高い商品を注文したら今日届いた。早い。開けると厳重に梱包された黒っぽい物体が。座面部分と脚、キャスターが別々に梱包されて自分で組み上げる。キャスターのカバーにはちゃんと保護シールがされていて意外とちゃんとしている。脚もフレームもアルミの鋳物。デザインもオリジナル品にかなり近い。唯一の難点は合成皮革であること。でもこれで38500円なら充分良い買い物である。もっと安い価格で本革の商品もあったが、あまり安すぎるのも危ないと思ってこれにした。フレームはしっかりしているので、故障したり、合皮がぼろぼろになってきても自分で直せそうなところも良い。これでデスクワークも少しは気分良く過ごせる気がする。
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さようなら愚鈍
by katayama_t | 2012-01-27 21:59 | Life | Trackback | Comments(0)
ぴゅうたろうの引っ越し
すべての荷物を運び終え、去る1月10日ついに今回の引っ越し最大の難関である愛猫「ぴゅうたろう」の引っ越しを敢行した。

猫が1匹だけならたいしたことはないのだが、新居にはすでに3匹の猫が我が物顔で居着いており、彼らとうまくやっていけるかどうかが一番の心配事。ぴゅうが驚いて逃げてしまって、帰って来られなくなったりしたら、悔やんでも悔やみきれないだろうから引っ越し作業が一段落してから最後に連れていくことにした。すでに半ノラと化してほとんど帰ってこないぴゅうたろうをなんとか捕まえ無理矢理にバッグに押し込み、車で移動。

家に着いたらすでにいる猫たちを1階部分に押しとどめ、階段の上に間仕切り用のドアを設置、あまりにキタナイぴゅうたろうをシャワーで洗ってから2階に連れていく。最初はあちこち嗅ぎ廻ったりして落ち着かない様子をしていたが、そのうち落ち着ける場所をみつけて寝てしまった。荷物に私たちの匂いがしみついていたこともあるが、ぴゅうたろうは基本的に神経質では無い。

目覚めたぴゅうたろうは、外に出たがった。少し迷ったが、場所に慣れるのが早いし、もうりっぱな大人なので、思い切って外に出してやることにした。

猫の出入り口を開けてやると、最初出たり入ったりしていたが、やがて、橋の上に出て、キョロキョロしながら慎重に歩を進める。そして意を決したようにいきなり駆け出し、それからはそこらじゅうを走り回り、ついに山を駆け上ってどこかへ行ってしまった。さすがに経験豊富な大人の猫である。慎重で隙が無い。まるで、適地に乗り込む特殊部隊員のようで実にかっこいい。考えてみれば今までだって様々な野生動物のいる中で生きてきたのだ、私たちの知らないところで危ない目にも会ってきたのだろう。あの様子ならまったく心配ない。
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あれから約2週間経ち、他の猫たちとは交流を持とうとしないが、側に来ても気にする様子は無く、もうすっかり自分の家だと思ってくつろいでいる。
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by katayama_t | 2012-01-24 23:13 | Life | Trackback | Comments(0)
引っ越しが終わって展覧会が始まる
12月30日から1月3日まで5日間かかって2tトラックで8往復。トラックを返してからも軽ワゴンで荷物を運び、合間に家の中に棚を作り、連日大忙しである。11日に最後のゴミを処分して引っ越し作業はひとまず終了の予定。

こんな中、巷房の階段下で明日9日から21日まで2週間の個展。今までやったことのないタイプのインスタレーションを計画していたが、直前になって思い返し、2001年にやった淡路町画廊の展覧会の作品を再展示することにした。今年が2012年だから約10年前の作品ということになる。思えば、あの展覧会からいろんなことが動き出して今現在の自分がいる。最近は作品の傾向が変わりつつあるのでこの辺であの展覧会を一度振り返って、1つの区切りにするのも良いのではないかと思い返した。

それに、ここで急いで新作を発表するよりももう少し寝かせてからのほうが完成度が上がる。12月には巷房の3箇所全てのスペースで個展を行う予定なので、その時に発表しようと思う。
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by katayama_t | 2012-01-08 20:59 | Art | Trackback | Comments(0)


記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
by katayama_t
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