Katayama Takatoshi Weblog
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チェルフィッチュ 『現在地』を観た
チェルフィッチュの『現在地』を観た。チェルフィッチュはずいぶん前にNHKの芸術劇場で「フリータイム」を観てから、その目の覚めるような新鮮さがずっと気になっていたのだが、今まで舞台はなんとなく見逃していた。今回「これは観なければいけない」という気になったのは、自分が作家としてこれからどういう方向に進めばいいのか迷っていたところへ飛び込んできた『現在地』というタイトルに拠るところが大きい。震災後、何が「正しい」ことなのかまったく分からない今、「私達のいる場所」を示すことはとても重要だと感じた。

開演2時間前から並んでようやく当日券を入手、少し期待しながら舞台を見るも、しばらくして眠気に襲われ出した。どこにも向かっていない抑揚の無い棒読みの台詞で語られるのは、原発事故に照らし合わされた人と人との関係。事故現場周辺から避難する人がいる一方、土地から離れない人もいる。避難する人はどうして他の人が避難しないのか理解しないし、土地に留まる人は、故郷を捨てる人に対して「冷酷だ」という感情を抱く。しかし、そこには感情の爆発も無く、台詞は常に宙ぶらりんのままコミュニケーションと呼べるものは何も無い。無機質な空間に単調な台詞が放たれるだけ。

このちぐはぐでコミュニケーション不全な感じは現代という時代を象徴していると言えば言えるかもしれないし、表現したいこともなんとなく分からなくは無いが、私は最後までついぞ心を動かされることは無かった。

演劇というものは、その場で、その都度、魔法のように何事かが起きてくるものではないのか? 確かに、台詞の感触は2日経った今でも耳に残って私にまとわりついている。しかし、そのように後からじわじわと来る呪いのような言葉は文学の持ち味であって、その場で一度きり起きる演劇のそれではないのではないか?

力があることは間違いないし、言葉のセンスは素晴らしいと感じる。しかし、だからこそもっと真摯に良い作品を作って欲しい。次に期待する。
by katayama_t | 2012-04-30 23:03 | Art | Trackback | Comments(0)
心豊かに暮らすために
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子ども達が学校で聞いてきたのか「いすみ鉄道は赤字だって」と言うので、私は「それでもいいと思っている」と言った。どうしてと聞くので、「じゃあ学校にある桜の木は花びらが落ちて掃除が大変だし毛虫はつくし何の役にも立たないのに、なんで切らないの?」と言ったら大笑いして「そうだね!」と納得したようだった。いすみ鉄道が無くなったらこの辺りの魅力は半減する。物事を要不要だけで判断し、何でも金銭的価値で考えるのは悪い癖だ。

その延長線上に人々の生活に根付いた神社仏閣などを「観光資源」などという死んだ言葉に言い換え、観光客に合わせて周囲になじまない案内板を作るなどという愚なる発想がある。いすみ鉄道も「観光資源として活用しなければ」などと考えず、まずは自分達が自分達の心の豊かさの為にお金を出し合って大切にしていけば良いのではないか。観光客を呼び込もうと駅や車両を飾り付ければするほど、地域の魅力は失われるばかりである。

今日は雨で一日中家にいた。明日は朝から大工仕事をしよう。
by katayama_t | 2012-04-14 23:27 | Life | Trackback | Comments(2)
満開の桜の下で不毛な口論をする
今日は布野くんの引っ越し先にリフォームの相談役として出向く。1階部分は鉄骨、2階部分は木造という奇妙な家。ビニールの床を木材に張り替えたいというので少しアドバイスしておいたが、安くて良い材料というのは無い。やはり予算がネックになりそう。ひとしきり近況などを交換してから布野くん宅を後にし、千葉市美術館でやっている研究室の学生展搬出のため千葉に戻る。5時にトラックを借りて6時からばらし始めて7時にトラックへの積み込みが終わり、大学で荷下ろしをして8時前にトラックを返却。ここまではすべて予定通り。南門が閉まっているので乗り越えて、近くのカレー屋「タンドリー」にて学生達と夕食。

その後、バイクで帰ろうとしたが、バイク用の北門が閉まっているので正門から出ようと大学内を走行していたら警備員に止められて「学内はバイクの走行が禁止されているから走るな」と言われる。『そんなの知ってるよ』と思いながら、「北門が閉まっていたからこっちに来ているんです」と言ったが、警備員は「走行禁止」と言うばかり。「では降りて押せばいいんですか?」と聞くとそれもだめだという(謎)。「ではどうやったらバイクを外に出せるんですか?」と聞くと、門が閉まる前に出るかレッカーするしかないという答え(笑)。話にならない(いっそ本当にレッカー車を呼んでレッカー代を大学に請求しようかとも思ったが、大人げないので一瞬で却下)。「でも仕事で遅くなってるんですよ、バイクを出せなければ帰れないんですよ」と言っても「走行禁止という規則だから」と言うばかり。まったくバカバカしいにもほどがある。自分の責任で判断することもできないのならそのうち警備員はロボットに取って代わられるよ、まったく。

そうこうしているうちに分が悪くなったのか警備員はそのまま行こうとする。「ちょっとまって。規則はどうしたんですか? ぼくをこのままいかせていいんですか?」と言うと「私の口からいいとは言えない」と言いながら逃げるように行ってしまった。これ以上問い詰めても気の毒なのでそのまま行かせてあげたが、なんだか「日本」という国を象徴しているような出来事でやるせなくなった。本当に規則が大事なら私を断固として阻止すれば良いのだ。結局自分に責任がかぶさることを怖れているだけじゃないか。
by katayama_t | 2012-04-08 23:58 | Life | Trackback | Comments(0)


記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
by katayama_t
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