Katayama Takatoshi Weblog
いつのまにか人混みが嫌いになっていた
友人の田内マリオさんが六本木で開催中の個展でアーティストトークをするというので、上野の藝大卒展をチラ見してから行ってきた。日曜に都内に出ることは滅多に無いので今まで気づかなかったが、私は人混みがすっかり嫌いになっていた。道を歩いていても、電車に乗っても人だらけでとても疲れる。高校を卒業して東京に出てきた頃を思い出した。あの頃も、人混みに慣れず、新宿や渋谷などに出るとすっかり疲弊して心が荒んでいた。やがてそれを避けるために「人を見ない」で歩くという方法を編み出したのだが、それは疲弊しない代わりに人を人として見たり、人の心を思いやったりという心を無くしていく。

マリオさんのトークは、短時間だったこともあり、聞きたいことを聞くことがなかなかできなかったが、それでも収穫はあった。絵を描き始めたきっかけとして、重い精神的なストレスを抱えていた頃に、自分をケアするために描き始めたと言っていて、今まで聞いていたことではあったけれど、改めて自分を振り返りながら聞くと、やはり何かを生み出すということは、自分をケアすることになるのだと改めて思った。何か精神的なダメージがある時には何か作っていないと生きていけない。

それはともかく、自分が聞きたかったことは、絵の解釈の話ではなく、もっと具体的な絵の成り立ちだ。今度会った時には、画材は何を使っていて、それはなぜか、どのような描き方をしているのか、どの程度の構想があって描き始めるのか、どのくらいの時間をかけるのか、描くときには何を考えているのか、などといった具体的な絵の成り立ちの話が聞きたい。コンセプトというのは後から作者が自作を解釈したものであるため必ず作り事があるが、絵の具体的な成り立ちの中には作者が考えたり感じたり、実際に試したりしたことのみがあり、解釈の入り込む余地が無く、そのほうが作品の真実に近いのではないかと思う。

帰りの電車で田内志文さんから送られた翻訳書「ギデオン・マック牧師の数奇な生涯」を読了。上手く言えないが、人生のすべてが詰まっているような小説。物語が深すぎて今はこれ以上語るべき言葉がみつからない。どうやったらあんな物語が描けるのだろう。

写真は最近描いている日記。画材は赤ワイン。
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# by katayama_t | 2018-01-28 22:06 | Life | Trackback | Comments(0)
HOSHI NO KIOKU
2017年12月に巷房2でカシワイさんとセッションした展覧会「HOSHI NO KIOKU」。写真家の前田立さん http://ryumaeda.com/ が撮影した動画をこちらに上げてくださいました。観に来てくれた方も、見逃してしまった方も、臨場感のある良い動画となっておりますので、ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=IzjjwOK4uCA&feature=youtu.be
# by katayama_t | 2018-01-26 16:59 | Art | Trackback | Comments(0)
父死す
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父が死んだ。
先々週に、通夜と葬儀を済ませ、あとは49日に法要と納骨をすればすべて終わる。
父親らしいことをしてもらった記憶が無いため死んでも何の感慨も無いものだと思っていたが、この3年間ほどは父の介護に明け暮れていたこともあり、いざ死んでみるとやはり何か今までとはずいぶんと違う心持ちがする。

特に2年前くらいからは時を選ばずに電話がかかってきて、その度に、運転中だろうが夜中だろうが、電話に出て話を聞いた。それは大抵たいした用件ではなく、「煎餅が食べたいから買ってきてくれ」とか「車の鍵が見当たらない(とうに車など運転できないのに)」とか「電気がつかない」などという遠く離れた場所からではどうにもならないものだったが、本人にとってはそれが一大事だということは電話口から伝わってきた。それがそのうちにいよいよおかしくなってきて、「部屋の外に誰かいて監視されている」とか「いつ迎えに来るんだ? 今日は病院へ行くんだろ」とか、夢の中で生きているような感じになり、1ヶ月ほど前からはついに電話もかかってこなくなった。

病院は月に2〜3回。本人が歩けないため、身体を持ち上げて車の助手席に押し込み、車いすをたたんで後部座席に載せ、途中で排泄があれば、狭い病院のトイレでオムツを替え、病院の帰りには好きな寿司やウナギを食べさせた。まるで大きくて手のかかる赤ちゃんだ。

ついに寝たきりになり、意識も朦朧とし、食事も受け付けなくなり、そうなると早かった。坂道を転がるようにあっという間に最後の時を迎えた。

それから悲しむ間もなく、通夜や葬式の準備。人は死んでからも面倒をかける。通夜や葬式では会いたくも無い人たちにたくさん会わなければならず、とても消耗した。

49日の法要でまた親戚と顔を合わせなくてはいけないかと思うと気が重いが、それが終わればようやく生まれ育った土地の人間関係から縁を切ることができると思って、もう少しの辛抱だと、嫌がる自分に言い聞かせている。でもどうしても嫌だ。

自分が死んだときには葬式はやらずに焼いた骨は海にでも撒いてほしい。
# by katayama_t | 2016-10-03 07:32 | Life | Trackback | Comments(0)
とりあえず1羽食べてみた
生後2年半経っている鶏はほとんど卵を産まない。毎日1つずつ卵はとれるが、5羽いる雌鶏の中で産んでいるのはたぶん2羽くらいではないかと思う。毛並みが綺麗で若く見える鶏は産んでいない鶏で、毛が禿げてきていて年をとって見える鶏が卵を産んでいるらしい。

鶏はいくらでも持って行って良いと言われているので、産んでなさそうな鶏を絞めて食べてみた。痩せていて肉もほんのわずかしかとれず、かつてアメリカで食べたステーキ並みに硬い。でも、力を入れてようやく噛み切れるような肉を食べると少量でも満足するから不思議だ。
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# by katayama_t | 2016-08-28 20:59 | Life | Trackback | Comments(0)
鶏の餌は
飼いはじめてから飼い方を調べるというのは順番が間違っているような気もするが、何事も始めてみなければやる気が出ないので、鶏には申し訳ないがこれもまあ仕方が無いだろうと思う。

知の宝庫「図書館」に行ってきた。ところが、犬や猫に関する本は山ほどあるが、鶏に関する本はほんのわずか。鶏の隣の棚にはインコのコーナーがあり、その下にはミツバチの棚があり、そのどちらも鶏より充実しているように見える。一瞬「インコにしようかな……」とか「ミツバチもいいな」などと気が迷うものの、すでに鶏がいるので、目移りしてはいけないと自制して、役に立ちそうな2冊の本を借りてきた。
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ぱらぱらと流し読みした程度でも、ある程度知識は入ってくる。本ってすごい。本によると鶏はどうやら何でも食べるらしい。ホームセンターには配合飼料というものが売っていて、遺伝子組み換えトウモロコシや、魚粉や、油かすや、貝殻や、米ぬかなどがバランス良く配合されていて、うちもとりあえずそれを使っていたが、何でも食べるとなれば今まで畑に穴を掘って埋めていた野菜くずや、出汁をとった後の鰹節や、米ぬかや、猫が残した煮干しの頭など、それから草刈りをした後に大量にでる雑草など、何でもかんでも鶏の餌にできる。野菜につく青虫やバッタなども大好物なので、害虫駆除も兼ねることができる。
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本によると発酵飼料を作ると良いということのようだが、出来るところから無理せずやるということが生活においては大切なので、まずはできるところから。

ゆくゆくはヒナをかえして循環させられるところまで行きたい。
# by katayama_t | 2016-08-27 16:22 | Life | Trackback | Comments(0)
鶏小屋作り
鶏小屋を作った。
できるだけお金をかけたくないので、製材屋さんに行って端材をもらってきて、大まかなところはそれを使い、屋根材や板材のみ購入。ということで総工費は20858円。ビスや、釘、一部の板などは、家にあったものを使っているので実際にはもう少しかかっている。

総工費内訳
・コンクリートブロック:1000円(100円×10個)
・野地板:1790円
・波形トタン:12828円(9尺2138円×6枚)
・カラートタン平板:1390円
・金網:3850円(350円×11m)
合計:20858円

先日知り合った卵屋さんに電話すると、いらない鶏があるから持って行って良いというので早速取りに行って、雌鶏5羽、雄鶏を1羽もらってきた。すでに生後2年半ほど経っているので、あまり卵は産まないが、まずはこの鶏たちで飼い方を研究して、ゆくゆくは、雛から育てるようにしようと思う。
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# by katayama_t | 2016-08-21 20:03 | Life | Trackback | Comments(0)
くやしい思い
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外がとても気持ちよい季節。
今日は一日中外にいて、庭の草むしりや薪割りなどしていた。
ただぼーっとしているだけで、時間だけが過ぎていくこの感じには、馴染みがある。子どもの頃もよくこうして一日中外で過ごしていた。何をしていたわけでもなく、ただ拾った石やガラスを磨いていたり、蟻の行列を眺めていたり、していた。

もともと外が好きだったということもあるだろうけど、それ以前に家が狭くて家の中にいるという選択肢がそもそも無かったような気もする。だから家の中で何かをしたという記憶がほとんどない。子どもの頃、家には積み木やブロックなど、子どもが遊べるようなものは何一つ無かった。それどころか小学生になるまで、家には本も無かったし、鉛筆も紙も無かった。およそ文化的なものは何もなかった。今だったら「貧困家庭」と言われるのかもしれない。冷静に思い返してみても、友だちの家はもっとずっと広くて裕福だった。でも、それで特に劣等感を持ったり、嫌な思いをしたりすることもなかった。むしろ、おこずかいで無駄な買い物をする同級生たちをひそかに見下していたようなところもあった。何かを買ってもらったりしたことはなかったが、物欲もなかったので何も困らなかった。

ただ「うちは貧しいのだな」と意識したことが一度だけある。4~5歳の頃、独りで家にいて、家にあった唯一の筆記用具だった、赤のダーマトグラフで襖にタコの絵を描いた。自分でも驚くほどよく描けたので、早く母に見せたくて、帰宅を心待ちにしていて、帰ってきたら、「お母さん! これ見て!」と言ったら、母の顔がみるみる引きつって、ひどく怒られた。「何やってるの!! ここは借家なんだからそんなことしたら出るときにお金がかかるでしょ! 消しなさい!!」といきなり怒鳴られた。

「借家」や「お金」という言葉が頭の中でリフレインする中、くやしくて泣きながら会心の作を消しゴムでこすったことをよく覚えている。ダーマトグラフで描いた絵は薄くなるだけでほとんど消えなかった。やがて父も帰宅して、親たちで何か相談していたようだが、それっきり何も言われなかった。その日は沈んだ空気の中、気まずい思いをしながら無言で過ごしたように思う。

あの時のくやしい思いを今でも時々思い出す。
# by katayama_t | 2016-04-10 21:44 | Life | Trackback | Comments(1)
大切なこと
部屋で荒牧さんと話していて「奥村さんの論文は持っていますか?」と聞かれたので、本棚を探してみたが無い。そしたら扉がノックされて、開けたらそこに筑波にいるはずの奥村さんが立っていた(笑)。日常は奇跡に満ちてる。

ちょうど良いので論文のコピーをもらうことにして、ついでに荒牧さんの制作した調理ストーブを見てもらった。

初見の奥村さんはいきなり「すごい!」「すごい!」の連発で、最初は本当にわかっているのかと心配になったが、感想を聞くと、どうやらほとんど説明しなくてもこのストーブの意味を理解しているもよう。後で送られてきたメールには、あの作品は「問題解決でありながら、同時に問題提起でもある」と書かれていた。

アウトドアのお遊びではなく、日常生活の中で、いかにエネルギーを自給するかということは、大変な問題である。それは一人が行う分には目立たないささいなことに見えるかもしれないが、皆がやりだしたら世界が変わる。比喩でも何でも無く、本当に変わる。……でも、ほんとうに大切なのは実はそこではない。なにも世界を変えることが目的ではなく、自分自身を救うこと、自分が幸せに生きられることが、人生においてほとんど唯一の目的であるし、そのことが本当に尊いことなのだ。しかし、そこを理解する人はまだ少ない。

もしも世界が変わるとしたらそれは結果でしかないが、そこにしか関心のない人が多すぎるように思う。世界が変わるというと大げさだが、例えば開発した製品が普及して産業構造が変わるとか、画期的なアイデアを実現させて社会構造が変わるとか。それはそれで素晴らしいことなのだとは思うが、でも何かが違う。

もっとささいなこと、小さなことにこそ価値があるのではないかと思う。夢を見るのではなく、地に足をつけること、目立つ派手なことではなく、目立たない地味なこと、一般的なことではなく、個人的なこと、目に見える成果ではなく、目に見えない変化、外部の評価ではなく、内面の深化、イベントではなく、日常にこそ価値があるのではないかと思う。

そういう本当に大切なことを見つめる装置としての作品があっても良いのではないか、と最近よく思う。
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# by katayama_t | 2016-03-15 22:10 | Trackback | Comments(0)
味噌を仕込む
先日、合田佐和子さんが亡くなって、残念だと思っていた矢先、一昨日はアーノンクールの訃報に接して、かなりショック。そしてアーノンクールの訃報に接したまさにその日、昨年5月に収録された最後の録音、ベートーヴェンの4番と5番のCDを知人に頂いて、ちょうど話題にしていたので驚きも大きかった。昨日から繰り返しそのCDを聴いているが、今まで聴いたこともないような、こちらの常識をゆさぶられるような演奏。特に5番の最後は一度聴いたら頭にしみついて離れない。

アーノンクールの緊迫感あふれる演奏が好きでずっとファンでありつづけたのだが、全集を聴くような熱心なファンではなかったので、この機会に「アーノンクールのベートーヴェン名演集(14枚組)」というCDを勢いに乗って買ってしまった。14枚組といっても3862円という安さ。この半世紀を代表するような指揮者の14枚組CDがこんなに安くて良いのだろうか……。ちょっと複雑な気分。先日購入したマリスヤンソンスのショスタコーヴィチ交響曲全集(10枚組)3378円というのも驚きの安さだったが、いまや音楽はデジタルデータとなって簡単に複製できてしまうので、どこまでも安くなっていくのは避けられないのだろう。

それはさておき、
今日は、毎年恒例の味噌を仕込んだ。
昨日からの雨があがって、なんとか天候に恵まれ、昨夜から水に浸けておいた15kgの大豆を朝から茹でて昼には樽に仕込み終わった。もう毎年のことなので特に変わったこともないが、親が施設に入ったり他界したりで味噌をおすそわけする先もなく、余ってしまうので作る量を少し減らしても良いかなと思った。
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# by katayama_t | 2016-03-08 21:08 | Life | Trackback | Comments(0)
初めて事故ったの巻
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先日道を走っていたら様々な事情があって電柱と車が衝突した。
ダメージは右ヘッドライトとバンパーが要交換。車体も若干歪んだが、まあ問題ない程度。できるだけ安く修理したいのでパーツを探しに行きつけの解体屋に行ってみたが、あいにく適合車が無い。しかたがないのでヤフオクで探す。運良くバンパーが500円、ヘッドライトが1000円という格安パーツを見つけて落札したが、送料がかかるのがネット購入の難点。結局送料が合計5000円かかって、6500円の買い物になってしまった。それから購入したパンパーの色が気持ち悪いパール系パステルカラーだったのでボディー色のスプレーを1280円で購入。しめて7780円。これだけ金があれば酒がどのくらい飲めるかと思うと痛い出費だ。

そして、今日。ようやく家にいる時間がとれたので、修理することにした。

とりあえず、ライトとバンパーを外そうとするが、固定されているネジを外そうにも手の入る隙間が無い。車というのはどうしてこうも修理しにくい構造になっているのかというやり場の無い怒りを抑えながら、パズルのように手順を解読して無理矢理になんとか外し終わり、購入してあったバンパーを塗装。しかし、いざ塗装してみたら購入したスプレーがボディー色じゃなかったことが判明(笑)。日産のシルバーを購入したのだが、ずいぶんと明るい色だ。シルバーだけでも何種類もあるので、違うかも知れないとはなんとなく思ってはいたが、ちゃんと確認しないからこういうことになる。しかし、また塗装し直すのも面倒なので、そのまま装着。
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ヘッドライトも左右で劣化具合が違って左側がずいぶんと黄色いが、これも見ようによってはデビッドボウイみたいでかっこいいということで良しとする。なんだかこの車にもだんだん愛着が湧いてきた。
# by katayama_t | 2016-01-24 21:04 | Life | Trackback | Comments(0)


記録すること。すべて過ぎ去ってしまう前に。
by katayama_t
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